
信楽焼は、瀬戸焼、常滑焼、越前焼、丹波立杭焼、備前焼とともに、日本六古窯のひとつで、日本遺産に認定されています。
また、信楽焼は、国(経済産業大臣)指定の伝統工芸品です。
(滋賀県では、信楽焼の他に、彦根仏壇、近江上布が指定。)
今回、陶芸の森にて信楽焼の登り窯で焼締陶器の見学してきましたので、画像と動画でレポートします。





登り窯

信楽焼の土は、古琵琶湖層の粘土層を利用してます。
琵琶湖は世界有数の歴史をもつ古代湖ですが、昔から現在の場所にあった わけではなく、約400万年前(旧石器時代)に、三重県の伊賀上野盆地に出現し、断層運動で消滅したり、形状を変えながら、北に移動してきました。
信楽の地域も、古琵琶湖層だったわけで、この花崗岩由来の白土には、細かな石英や長石などが多く含まれ、ざっくりとした質感と温かみのある色合いが生まれるそうです。

http://www.ailance.co.jp/101.htm

https://bit.ly/398cMYi

https://bit.ly/2UJEt1h

登り窯には、5段階の部屋があり、奥行きは10m
火袋では、1250度に達します。

陶芸の薪窯で使われる燃料は、アカマツ(赤松)です。理由は、松脂(まつやに)を多く含むので、その油で、火がつきやすく、長く、良く燃えるからです。
(窯の中の温度を下げないためには、この特徴は重要です。)
火足も長いので、登窯では有効です。
信楽焼では、焼締め(締焼き)という技術で焼成します。釉薬(ゆうやく、うわぐすり)をかけず高温で焼成する方法です。
灰かぶり
アカマツの勢いのよい炎で陶器に降りかかる灰が熔けてできる自然釉がガラス状になった美しいビードロを生み出し、また、灰が流れ出すと、玉垂れと呼ばれる筋模様をつくったりして、独特の焼き上がりになります。
ですから、信楽焼の陶器は、全く同じものを作ることはできません。唯一無二です。
窯で焼成する際の土と炎の上記の作用により、素地の色や風合いが変化することを「窯変(ようへん)」と言います。
穴窯


陶芸の森には、穴窯もあります。焼き物の奥の深さを象徴するような景色です。

https://www.sccp.jp
所在地;滋賀県甲賀市信楽町勅旨2188-7

https://www.city.koka.lg.jp/shigarakiyaki/
所在地;滋賀県甲賀市信楽町長野1203番地
入場無料

https://www.shiga-irc.go.jp/scri/
所在地;滋賀県甲賀市信楽町長野498

http://593touki.jp
信楽狸の八相縁起

八つのご利益があるそうです。
笠;思いがけない災難を避けるために、普段から準備をしておきましょう。
大きな目;周囲を見渡し、気を配り、正しい判断ができるようにしましょう。
笑顔;お互いに愛想よくしましょう。
徳利;人徳を身につけましょう。
大きなお腹;冷静さと大胆さを持ち合わせましょう。
通い帳;信用第一です。
金袋;金運を身につけましょう。
太い尻尾;何事もしっかりした終わり方をしましょう。
信楽駅

信楽高原鐵道の信楽駅前には、大きな信楽たぬきがお出迎え。
公衆電話が埋もれています。

季節や催しによって、衣替えしたりします。

滋賀県甲賀市信楽町の道路界隈の店では、大小様々な信楽たぬきを目にして、楽しいです。


をさなきとき あつめしからに なつかしも
しからきやきの たぬきをみれば
1951年(昭和26年)、昭和天皇が信楽を訪問された際に詠まれた歌です。
信楽タヌキの置き物を集めておられたのですね。


暖房器具が普及するまでは、信楽焼の火鉢の生産も盛んだったようです。
狸家分福 (たぬきやぶんぷく)

所在地;滋賀県甲賀市信楽町西459
信楽焼きの生活雑器のお店ですが、自家製麺のうどん・地鶏丼などの食事ができ、足湯もあり、パラダイスな癒しスポットです
陶珍館には、珍品や手造り品など、掘り出しものが見つかるかもしれません。陶芸教室もあり、手びねり、電動ロクロ、絵付けなど、作陶の体験ができそうです。
信楽陶芸村

所在地;滋賀県甲賀市信楽町長野1131
本窯の焼きたての陶器をはじめ、日常雑器から美術工芸品に至るまで、信楽焼を広く取り集めて展示・販売されています。
陶芸体験教室もあります。
登り窯カフェ

階段上に連なる窯がカフェとして有効活用されています。

度重なる使用により赤褐色や黒褐色に焼成した窯の中はオシャレでレトロな空間です。

山田牧場のバームクーヘンや、陶芸村オリジナルの黒炭ロールケーキなどが味わえます。(あらかじめ、予約した方が良いかもしれません。)
外より涼しく感じました。
登り窯を見物できるだけでも貴重ですが、中でお茶できるなんて、素晴らしい有効活用だと思います。




スターバックスコーヒー甲賀水口店では、信楽焼のマグカップでコーヒーを提供しており、コーヒーの香りが際立つように焼き具合や素材にこだわったそうです。
ネットで販売もしており、値段など詳細は、上の画像をクリック。
心霊写真


口の中に。。

心霊写真ではありません (*^_^*)
背後に、大黒様がいました。
NHK連続テレビ小説「スカーレット」

2019年9月30日から2020年3月28日に放送され、信楽を舞台に、女性陶芸家の半生を描きました。
出演は、戸田恵梨香さん、松下洸平さん、伊藤健太郎さん、松田るかさん、桜庭ななみさん、他


全国やきもの産地図鑑



日本六古窯を始め、日本全国の主要なやきもの産地を網羅的に紹介。
産地データは、九谷焼、会津本郷焼、大堀相馬焼、益子焼、笠間焼、瀬戸焼、常滑焼、美濃焼、萬古焼、伊賀焼、信楽焼、京焼・清水焼、越前焼、丹波立杭焼、備前焼、布志名焼、萩焼、砥部焼、大谷焼、高取焼、小石原焼、上野焼、小鹿田焼、有田焼、唐津焼、波佐見焼、薩摩焼、壺屋焼

鶏鳴の滝(けいめいのたき)

所在地;滋賀県甲賀市信楽町神山(こうやま)
鶏鳴の滝は、大戸川の上流に位置しています。滝の高さは13mで、幅は11mです。木漏れ日も心地よく、森林浴で癒されます。信楽焼の狸(たぬき)の置物が看板代わりに立っています。
夏は冷涼スポットとして、立ち込める水しぶきから発せられるマイナスイオン(!?)がミストシャワーのように降り注ぎ、心地よく癒されます。
冬はしばしば滝が凍り、氷瀑(ひょうばく)が見物できるかもしれませんが、歩行にはご注意ください。


https://youtu.be/vQy7wMWGk7k
平成万人灯

所在地;滋賀県甲賀市土山町北土山(土山郵便局の近く)
巨大な平成万人灯は、日本一の大きい自然石(白御影石)の石灯篭(高さ約9m)
松の木が盆栽に見えます (*^_^*)
夜間は火袋が点灯してライトアップ。
MIHO MUSEUM

所在地;滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
ミホミュージアムは、トリップアドバイザー調べの「日本の美術館ランキング2019」で、9位です。
桃源郷をイメージして造られたミホミュージアムは、美術館の建築そのものがアートですね。
ルーヴル美術館のピラミッドも設計した建築家イオ・ミン・ペイさんは2019年5月に逝去。
春のしだれ桜の時期には、多くの観光客が訪れます。
玉桂寺(ぎょっけいじ)

所在地;滋賀県甲賀市信楽町 勅旨891
アクセス;信楽高原鐵道玉桂寺前駅下車、吊り橋を渡って徒歩約1分。
玉桂寺(秋葉山十輪院玉桂寺)は、高野山真言宗の仏教寺院で、空海(弘法大師)が開いたそうです。
境内には、地上13メートルの不動明王(一願成就大不動明王)や、水子地蔵が鎮座しています。
玉桂寺の護摩堂では、毎月21日(弘法大師様のご縁日)には、大日大聖不動明王及び、ぼけ封じ観音の御前で護摩木を燃やし御祈願されます。

境内には、滋賀県指定天然記念物の高野槙(コウヤマキ)がそびえ立っています。
(高野槙は、高野山真言宗の総本山である高野山では霊木とされます。)
他には、弘法大師ゆかりで、松葉が3本ある「三鈷の松(さんこのまつ)」もあり、落ちた松葉を、財布に入れておけば、縁起がよいそうです。
さらに、子宝祈願の股木杉もあり、この杉の木を跨いだところ、子宝に恵まれ幸せな家庭を過したという言い伝えがあるそうです。

保良の宮橋(ほらのみやばし)といわれる吊り橋(つり橋)は、信楽高原鉄道の線路と大戸川の上に掛かっています。
(鉄道と川の両方に架かる吊り橋は全国でも珍しいそうです。)
橋の高さは約13mで、長さは102m。幅が狭い人道橋で微妙に揺れるのでスリルを感じながら、電車や川を見下ろすことができます。
(単線を走る電車は、1時間に1本ぐらいなので、目撃できるとラッキーです。撮り鉄スポットかも。)
滋賀県内の観光スポット YouTube 動画





